酒肴 カラスミ自作

日本酒に良く合う高級珍味カラスミの自作プロセスをご披露します。
今回は五島のボラの卵巣を使用しました。

1・下処理 
 購入した卵巣は太い血管に血液がたんまりと入っており完成時の臭みの元になるので、できるだけきれいに血を抜いていきます。血抜きには、まち針や画びょうを使用して血管に穴をあけて、綿棒などで血液を外にだしていきます。

 この時、うす皮を破らないように気を付けましょう。太い血管の周りの細い血管もできるだけきれいにするとおいしく仕上がります。ここの工程が一番手間取りますが、美味しいものになるよう忍耐強く行いましょう。
 ある程度きれいになったら、次は氷水につけて血液を抜きます。ジプロックに少し多めの氷と一緒に卵巣を入れて、一晩冷蔵庫で保存します。十分抜ききれなかった血液もこの工程できれいにできます。

2.塩漬け
 血抜きが終わった卵巣をキンチンペーパーなどできれいに水気を拭きとり、卵巣全体にたっぷりの塩をまぶし、ラップやビニール袋にいれて冷蔵します。その後は毎日卵巣から染み出る水分を捨て、追い塩する、を水分がでなくなるまで毎日ひたすら繰り返し続けます。およそ一週間で水分が出なくなります。

           

3.塩抜き
 卵巣と水をジプロックに入れて3時間程放置した後、水を取り替えて一晩冷蔵。

4.酒漬け
 ジプロクにお酒を入れ、塩抜きした卵巣全体が浸かるようし、一週間冷蔵します。
 お酒は、日本酒、焼酎、調理酒のどれを使用してもカラスミになった時の味は変わ らないとプロの料理人に伺っています。

5.酒抜き
 卵巣をしっかりおさえながら、キッチンペーパーなどで水分を拭きとります。
 卵巣の大きさに丁度良いサイズの重しとして、今回は常備しているビールの6缶パックを使いました。一晩冷蔵するので、ビールも美味しくなります^^。

               

6.干し
 最終工程は毎日ひたすら外干しです。
 日中は外干しし、日没後は冷蔵する、を根気よくおよそ2~3週間継続します。
 夜間の気温が低い冬場は一晩外に干しっぱなしでも問題ないかとも思います。

 外干しのため自家製の専用干し棚を作成。発砲スチロール箱を用意し、蓋の間に 100円ショップで購入した格子状の金属板を挟み、その上に巻きすを敷いてカラスミを載せます。虫除けのため、表面に紹興酒を霧吹きで振りかけ、更に通気性のある網目状のネット(100円ショップの洗濯用ネット等)で大切なカラスミを保護します。  

 2週間目でしっかり固くなり、美味しいカラスミが完成しました。冬場で乾燥しているためか、比較的早く仕上がりました。
 裏側に巻きすの跡が残りましたが、自家製の証ということでご愛敬です。
 味は飲食店等で提供される品と遜色なく、美味しいお酒の肴ができました。

 ラップでしっかり包んで冷蔵すれば1ヶ月は持ちます。
 薄切りにして炙っていただくと、一段とお酒がすすみます。
 カラスミたっぷりのパスタも、自家製ならではの贅沢な一品でお勧めです。